2007年04月12日

リーダーと雇われリーダー

非常にできる社員がいたとして、
「アイツにこのプロジェクトをやってもらおう」
と、リーダーに抜擢することもあると思います。

優秀な彼なら、カンタンにやり遂げてしまうだろうと。

しかし、予想に反して、その彼は今までのパフォーマンスを上げない。
そんなことがよくあります。

それが、雇われリーダーの怪です。



そもそも、リーダーとは引っ張っていく人ですから、
自分がやりたいこと、進みたい方向を持っている人でなければなりません。

プロジェクトは、まずは個人の想いをエネルギーにして、
推進していくのです。

自分がやりたくもないプロジェクトのリーダーにさせることは、リーダーという人間の定義から考えて、おかしい話なのです。


しかし、企業では、プロジェクトは営業が立ち上げて、
その実施は実行部隊の人間ということがよくあります。

どうしても、雇われリーダーは出現するのです。
これは、避けようがないことなのかもしれません。


雇われリーダーは、そのプロジェクトをより良いものにしようとは思いません。
決まったことを、決まったように実行する。ただ、それだけです。

決められた予算、決められたコスト、決められたリソースで、決められたことを終わらせる。

彼らには推進エネルギーがありません。

防御能力だけが優れているのです。



だから、より良い商品、より良い方法を探そうというクリエイティビティは働きません。

お客がプロジェクトの中で新しい物を模索しようとしている場合などには、
「いえ、それはできません」
「契約に含まれていません」
の一点張りです。

そういうプロジェクトの場合は、このスタイルのプロジェクト・マネジメントは向きません。


他の例では、キャリッジウェイ・リーダーズ・アカデミー(CLA)のイベントでも同じことが起こります。

手を上げてリーダーをやったスタッフはバリバリとチームを引っ張りますが、こちらから任命したリーダーの場合、腰が重くて、なかなか動けません。

メンターが「これをしたほうが良い」とアドバイスすると、それだけをします。
そして「やりました」と言います。

ただ、それだけではまだ問題が残ります。

こちらとしては、一を聞いて十を知って欲しいと思っています。すぐに気づいてリーダーが対処することを期待するのですが、これが、ずっと放置されたままになります。

リーダーが、言ったことしかしないのです。

それはそうですよね。
彼らに、プロジェクトが成功した時のビジョンがないのですから。
今の状態がプロジェクトの達成時から逆算して、予定通りなのかイメージが沸かないのです。


ここでの教訓は、雇われリーダーは極力避けると言うことなのですが、では、雇われリーダーであっても、プロジェクトを成功させることができるのか?

次はそれを考えて行きたいと思います。


結論:
リーダーとはやりたいことがあるひと
雇われリーダーはクリエイティビティを発揮しない
雇われリーダーは最低限のマネジメントが必要なプロジェクトに向いている





posted by ターレス今井 at 08:10| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月26日

そもそもリーダーとは?

キャリッジウェイ・リーダーズ・アカデミー(CLA)の打合せで、
このコミュニティはビジネスの最前線のリーダーを生み出すものだ、
という話を説明していました。

すると、ある人から「リーダーって何ですか?」
という質問がありました。

コミュニティの目的にリーダー育成があるのなら、
その定義は明確にしておくべきではないかという指摘です。

これは当然の指摘で、スタッフで「リーダー像」を定義し、
共有していなかったことを反省しました。


では、いったい、リーダーとは何なのでしょうか?
そして、マネージャーとの違いは何なのでしょうか?

私が最も腑に落ちている考えは、
「リーダーとは、皆がワクワクする未来を語る人」
ということです。

あるべき姿を創造性を使って描くことのできる人物。
それがリーダーです。


そして、マネージャーとは、
「自分がヒーローになるのではなく、メンバー一人ひとりをヒーローにする人」
です。

これは何かの本の受け売りですが、最もしっくり来ています。

管理するとか、調整するというのは手段であって、
その目的はチームメンバーをヒーローにすることなのです。

ビジネスの最前線で活躍するのであれば、
この2つの要素はかな備えていなければなりません。

素晴らしい未来を描き、
それに向かう過程でメンバー一人ひとりが自己実現をして、
全員がそれぞれの人生のヒーローになる。

理想的で素晴らしい世界ですね。


リーダーの創造性を強調するため、
私は「創造型リーダー」という言葉を使っています。

マネージャーとしての役割でさえ、
創造性でメンバーをひきつけることで、自然と遂行できてしまうと
考えています。

リーダーの定義は、これからも共有していきたいと思います。




posted by ターレス今井 at 16:53| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月11日

リーダーは原点に立ち返る

昨日は夕方からお茶の水にある明治大学に行っていました。

キャリッジウェイ・リーダーズ・アカデミーの第三回イベントの打合せを、
リーダーをしてくれているの明治大学の山屋さんとしていました。

当日までの準備をしているわけですが、山屋さん曰く、
「やっぱり、企画をやろうとした原点に常に立ち戻らないと、
プロジェクトを見失いますね」
ということ。

確かに、ちょっとメンバー間の意思疎通が密でなかったり、
責任分担が曖昧で、自分から積極的に動かないという状況が続いていました。

それで、再度このイベントはどんなに価値があって、
スタッフや参加者にどんな学びがあるのか、
前回のスタッフ会議の時に振り返ったのです。

そうすると、くすぶっていた炎が再び燃え上がりました。


山屋さんは短期間しかリーダーをしていないのに、
重要なことに気づいてくれました。



アイデアが豊富で、面白い企画を思いつく人というのは、
企画の意義とかその面白さを自分だけが分かっていて、
他のメンバーと共有していないことが多いもの。

そうなると誰も良さを理解していないので、プロジェクトとしては動きません。

だから、「面白いことを発案するけど口だけ」という評価を受けてしまいます。

企画の価値を語る努力が、企画を担うリーダーには必要なのです。
posted by ターレス今井 at 13:50| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月06日

自立がリーダーになる第一歩

私は、創造型リーダーを目指す若手ビジネスマンと学生の
コミュニティを運営しています。

名前はキャリッジウェイ・リーダーズ・アカデミー(CLA)です。

昨日、リーダーズ・アカデミーの学生スタッフとのやり取りで、
気づいたことがありました。


あるスタッフからのメールにこうありました。


> しばらく就活の方を優先させていたため、
> こちらの方の活動が疎かになっていました。


私は、これを読んでしばらくの間、感動していました。
何が感動なのか?

私はとても嬉しかったのです。
なぜなら「自立」しているからです。


どんな事に関しても他の責任にしないことが大切です。

そういう自立したマインドでないと、後悔はするし、
人は寄ってこないし、幸福感を感じられないし、、、。
根本的な成功マインドの一つです。


このスタッフの言い方はその点、自分の意思でやっている
という気持ちが伝わってきます。
就活の方を選んだのは「自分」だと。

もしこれが、
「就活が忙しかったので出来なかった」
という表現だったら、思いっきり他責ですよね。
就職活動のせいにしてます。
(数ヶ月前なら確実にそんな文面が届いていたでしょう)


結局そういう外部要因が問題じゃなくて、
自分が優先度を決めているわけです。

人のせいにしたら、そこで成長はストップします。

すべての原因は自分にあり、
自分が変わることでしか自分に降りかかる問題は解決しません。


リーダーズ・アカデミーの活動を通じて、
少しずつでも一人一人が創造型リーダーになれるように、
試行錯誤していますが、効果が見えてくると嬉しいものです。

これからも頑張りたいと思います。



■11月のリーダーズアカデミーの講師は、
財務戦略コンサルタントの石野雄一さんです。
ゴーン社長の下で日産の経営再建を支えた一人です。
http://www.carriageway.jp/leaders/
posted by ターレス今井 at 12:44| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月03日

リーダーを育てる質問

マネージャーを育てる方法は多くあります。
管理項目があり、手順があり・・・。

つまり、Whatを外部から教えられるのです。
管理職研修もあれば、MBAもあります。


しかし、リーダーを育成するにはどうすれば良いでしょうか?
体系化された育成項目が存在するのでしょうか?


リーダーとは、人をリードする役割を担える人です。

そういう人を外部の力で育成しようとすると、
リードするべき人物がリードされているという、
パラドックス的な問題が起こります。

やはりリーダーシップは教えられるものではなさそうです。


しかし、ただほうっておけば自発的にリーダーとしての
本領を発揮するかというと、そうでもありません。

では、一体そうすれば、リーダーは育てられるのでしょうか。


リーダーが育つ条件として大事なのは、場を与えられることです。

自分が自由に活躍できるフィールドを持つこと。
そのフィールドでは、ある程度の自由裁量があること。

こういう事がベースの条件です。

例えば、後輩に新しいプロジェクトを任せるとか、
プロジェクトの中の大きな部分を丸ごと任せるなど、
フィールドの与え方はいろいろ考えられるでしょう。


そして、次に必要なのは、
その場にとって完璧に理想な状態は何なのかを考えさせることです。

なぜなら、リーダーとは、未来を創る人だからです。


未来は手を動かして創る前に、頭の中で想像することで
まず創られます。

そういう訓練をつむことがリーダーには欠かせません。


決して、理想はこういう状態だと押し付けてはいけません。
ヒントは良いでしょう。


しかし、なるべくこういう質問をして下さい。

「今の仕事で成功したとして、それはどういう状態なの?」


すると、リーダーの中で未来が少しずつ創られていくのです。

posted by ターレス今井 at 01:29| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月08日

自分に限界を感じることが、リーダーとしての器を大きくする

昔のことを思い出すと、
私はあまり人に感謝しなかったように思います。

なぜならば、ほとんどのことは「自分でもできる」
と思っていたからです。

電車に乗っても、和食を食べに行っても、仕事をしても。

店員さんや、仕事をするスタッフに対して、
ありがとうという気持ちが薄かったように思います。

それどころか、「オレだったらもっとうまくやるのに」
ということばかり思っていました。


しかし、企業で大きなプロジェクト複数を任されるようになり、
メンバーが30名を超えるようになってくると、
自分だけでは解決できないことがたくさん起こってきます。

小さなチームのときは、詳細までアウトプットイメージを伝えて
仕事を割り当てていましたが、
30名を超えると、大きな方針以外は権限委譲して任せて、信じる、
という仕事のスタイルに変わってきました。

すると、自分では想像していなかったような、
素晴らしいアウトプットを出してくれるメンバーが
たくさんいることに気づきました。

「ここで、こういう(ITシステムの)アーキテクチャにするのか!」
「そういう風にドキュメントをまとめると読みやすいな」

という驚きや感動がありました。

そこで、「これはオレには出来ないな」とようやく自分の限界を
思い知ることになったのです。


それからでしょうか、いろんな人に「助けてくれてありがとう」
と感謝できるようになったのは。

そして、自分の想像以上のものをメンバーと共に創り上げるという、
あるべきリーダー像がそこで分かりました。

メンバーを手足として扱うのではなく、
自立した頭脳の集合体として協力しあうことを覚えたということだ
と思います。


それ以来、電車に乗っても、
「毎日あんなに正確に仕事するのはオレにはできないなぁ。
運転手さん、電車を走らせてくれてありがとう」
と思いますし、

和食を食べに行ったら、
「毎朝魚を仕入れに行くなんてオレにはできないなぁ。
店員さんありがとう」
と感謝しています。


リーダーとは、万能な人間という意味ではありません。

自分の限界を知り、足りないところを補完してくれるよう
メンバーを活躍させるのがリーダーの責務です。

そして、助けてくれるメンバーに
自然と感謝できるようになれば、
リーダーに一歩近づいたということだと思います。
posted by ターレス今井 at 09:17| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月29日

短期的な評価は、真のリーダーを産まない

成果報酬が当たり前のように日本の企業に取り入れられています。

多くは半期ごとの評価を行い、
この評価によりボーナスの額が上下します。

企業でこの制度が取り入れられた当初は、
働かないで給料を多くもらっている社員と、
多くの成果を出しているのに給料が少ない社員の
不公平感をなくすのではという期待がありました。

しかし、実際には給与計算の8割がたが勤続年数や年齢で
決まるため、不公平感の是正には程遠いものでした。

逆に弊害として、短期的な視点しか持たない社員が増えました。

長期的に大事な仕事でも、
その年の評価につながらないのであればやらない、
という社員が多く現れたのです。

リーダーはチームメンバーよりも遥か遠くを見据えていなければなりません。
それがリーダーの役割であり資質の一つです。

しかし、短期的な評価を導入することで、
真のリーダーに必要な長期的な視点が欠けた社員しか育たなくなったのです。

これは制度自体の問題でもありますし、
運用を行うマネージャークラスの問題でもあります。


一つには、目標設定時の問題があります。

成果主義を導入していても、
3年後、5年後のキャリアプランを考えさせた上で、
単年度の目標設定をさせれば、
長期的なビジョンを持って働くようになります。

しかし、多くのマネージャーは忙しさにかまけて、
各社員に目標を立てさせ、
ほとんどそのままの状態で承認します。

コメントするにしても、帳尻あわせであり、
長期的な考えからの修正ではありません。

この時点で多くの社員は、
この短期的な目標がすべてなのだと信じてしまうのです。


もう一つの問題は、評価のフィードバック時にあります。

多くの企業はABCDという4段階の評価をしています。

報酬の原資は決まっており、
A評価をもらう人数が一番少なく、
いわゆる「期待通り」という評価であるC評価をもらう人数が最も多くなります。

問題なのは、この評価の伝え方です。

マネージャーは多くの社員にC評価を伝えなければなりません。

本来「期待通り働いてくれた。ありがとう」という意味のC評価は、
ABCDの中の下から2番目です。

多くの社員は「オレは平凡な社員としてしか評価されていない」と
感じることが多いのです。

「いくら頑張っても評価されない」という感情を抱いた社員は、
さらに短期的な視野狭窄に陥り、
無難な仕事選び、無難な目標設定に走ります。

そして最も評価を得られそうな売れ筋の仕事に飛びつき、
本来最も必要な、新しい企業の未来を創る、
創造性の高い仕事は敬遠されてしまうのです。

M&Aでしか成長できない大企業は、
内部から湧き出る創造性を、
組織的に封印してしまっているのです。


本来、マネージャーは表面的なC評価という事実を伝えるだけではなく、
社員の出した成果を最大限ねぎらわなければなりません。

そして、結果を計測するだけでなく、
プロセスの評価やリーダーとしての成長という観点での
フィードバックをしなければなりません。

社内の規定で決められている評価は短期的であっても、
マネージャーは長期的な視点を持ってフィードバックしなければならないのです。

「今年は準備段階だから、あともう少しの辛抱だ。
会社の制度上、売り上げの上がらない仕事は評価できないようになっているが、
オレはお前の仕事を高く評価している。
3年後、このプロジェクトが花開いたら、盛大にやろう。」

こういった言葉が、社員に勇気を与えます。

そうすることで、
多くの社員はC評価という短期的な結果にこだわらず、
クリエイティビティの高い仕事に邁進してくれるのです。


そして何度もブログで書いていますが、
評価される側の社員は、
今の時代、評価を目標に働いてはいけません。

どれだけ成果を上げられるか。
そして自分の歩いてきた道を飾る実績をどれだけ作れるのか。

そういう志向で働く必要があります。

評価する会社や上司は、いつなくなるか分かりません。

まやかしの評価に寄りかかるのではなく、
成果と実績という決して消えない勲章をめざして頂きたいのです。
posted by ターレス今井 at 10:29| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月10日

PMPが果たせることと、その限界。

プロジェクトのリーダーにも認定試験があります。

それが米国PMIのPMPという制度。
正確には、リーダーではなく、プロジェクト・マネージャー
力量を推し量る試験です。

PMPの良さは、プロジェクトを9つのマネジメント要素に分解し、
マネジメントの観点を整理し体系化していることです。

これにより、プロジェクト・マネジメントの経験が浅い人間でも、
プロジェクト全体を俯瞰した思考を身につけることができます。

現場で体験することと同時にPMPを学べば、その相乗効果はかなり
高いものになります。(これは経験的な意見ですが。)

要は、プロジェクトの各時点で何に気をつければ良いのか、
管理するべきことにモレがなくなるのです。

モレがないというのが、マネジメントの基本です。
その人に少しでもモレがあった場合、まわりの人間の感じる危機感
というものは途轍もないものがあります。

”今最も優先するべき”とまわりの人間が考えている仕事を、
リーダーが認識していなかった場合などは、
途端にその人をリーダーと見なさなくなります。

「え?まだ外注先に打診なんかしてないけど」
などという不用意な発言で、一気に信頼を失うわけです。

そういう観点からすると、
最低限のマネージャーを育てるという意味で、
PMPは非常に効率的な学習制度・学習体系に仕上がっていると思います。


しかしながら、
私はPMPの世界のプロジェクト・マネジメントというものは、
狭い意味でのプロジェクト・マネジメントなのではないかと思っています。

つまり、PMPでのプロマネは単なる”やりくり屋さん”という意味合いが
非常に色濃いのです。

「与えられたお金と時間内にやり終わればそれでよい」
それだけのマインドで終わりがちなのです。


例えば、マネジメント項目の一つにスコープ・マネジメントがあります。
すなわち、そのプロジェクトにおける成果物を定義し、
クライアントと約束をして、作るものが途中で変わったりしないように
するということです。

プロマネがPMPを学んだ場合、
クライアントが「こういう機能を追加したいのだが」
というような打診をしてきた場合、本当に良く状況を理解したプロマネでなければ、
要件追加を排除するような行動に出てしまいがちです。

これは、PMPの弊害です。

実際には、PMPの中でもスコープの変更は検討を充分にして決定するように、
教えられています。

ですが、プロジェクトの期間がこれだけ短縮された今の世の中では、
PMPの教えは「スコープの変更はまずは断ること」というように曲解されても
仕方がないのではないでしょうか。

そして、決められた予算で、決められた期間でなんとか仕事を終わらせるため、
本来の目的を見失うことがあると思うのです。


本当のプロジェクト・マネジメントとは、
プロジェクトが始まる大分前から始まっていなければなりません。

特にITシステムのプロジェクトの場合、
受注時にほぼそのプロジェクトの成功と失敗は決まってしまいます。

クライアントの世の中に提供したいものは何なのか?
そのために必要なシステムとは何なのか?

そういうところから本当に検討し、
それを実現するために猛者を集めてプロジェクト化
できるようなプロマネがあるべき姿なのだと思います。


しかし実際は、
クライアントの夢の実現ではなく、
自社の売り上げを少しでも上げるために人は行動してしまいます。

そして、値段勝負の過当競争に陥り、
想定の工数や必要な機能など、
往々にして非現実的な過小数値で割り出されたままプロジェクトが始まり、
赤字プロジェクトに化けていくのです。

そして、そこに投入されたプロマネは、
イヤでもやりくり屋を演じるしかありません。
クライアントの経営戦略なんてものは読んでいる暇もないのです。


今の世の中に必要なのは、やりくり屋のプロジェクト・マネージャーではありません。

「人が喜ぶものは何なのか?」
「今、われわれが提供するべき価値とは何なのか?」
そういうアイデアを豊富にもち、それを企画化し、
さらにプロジェクトとして立ち上げられるようなリーダーが求められているのです。

魂の込められたプロジェクトであれば、
スコープはプロジェクト中にでもどんどん良いものに進化していくはずです。

クライアントとはパートナーであり、
プロマネ自らが様々な提案をしていくでしょう。

そして、スコープの変更に耐えられるだけのリソースや仕組みを、
最初から準備しているはずなのです。


そういったリーダーの育成がPMPでは充分ではありません。
プロマネは、やはりマネージャーでしかないのです。

今の時代に本当に必要なのは、
創造型リーダーです。

企業は、そのあたりを考慮した上で、
社員育成をしていくべきでしょう。

posted by ターレス今井 at 00:48| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

自分を信じる力

前回も書きましたが、
リーダーには寄りかかるものがありません。

自分が機軸となり、羅針盤となってチームを方向付けしなければなりません。

このときに自分を信じる力がどれだけあるかが、
リーダーシップの大きな差になってきます。

では、この自信はどこから生まれるものでしょうか?


リーダーに必要な自信は、
自然と身につくものではなく、
意図的に鍛えるものではないかと思います。

今のビジネス環境では、
プロジェクトの期間は圧倒的に短くなっています。

こういった状況では、若手がチームメンバーとして
失敗をしながらも徐々に力をつけていくということが
難しくなっています。

一昔前のように、現場に若手をぶち込めば、
勝手に一人前になった時代とは少し違うのではないかと思うのです。

今では、プロジェクトの中で能力を磨き、
リーダーとなる資質を蓄積できるのは、
偶然か先天的に秀でている極少数の人間だけです。

プロジェクトで経験する、
リーダーシップに関する”気づきの格差”というものが起こり、
個人間のスキルの格差が生まれてきます。

こういった環境では、ビジネスマンの世界において、
経済的な格差ではなく、スキルとマインドにも、
二極化が進んで行くのではないかと思います。


ですので、インタンジブルな「自信」の醸成を、
会社の仕組みとして取り組む必要があるのではないでしょうか。

個人の努力に委ねるという、悠長なことはしていられない時代なのです。


posted by ターレス今井 at 17:19| 東京 🌁| Comment(7) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月16日

寄りかかるもの

人は基本的に寄りかかれるものを探してしまうものです。

それが、会社名というブランドだったり、
資格というお墨付きだったり、
人それぞれ様々です。


しかし、ドラッカーも言うように、
「人類史上、初めて人間の寿命より組織の寿命の方が短い時代」
が訪れました。

せっかく寄りかかっていたのに、
いつの間にか大樹の幹は腐敗していて、
もはや倒れるのも時間の問題となる・・・。

そうなってから自分の足で立とうとしてももう間に合いません。
すでに足腰が弱って、自分の力で二足歩行は困難です。


資格もそうです。

いつの間にか資格がかもし出す後光は見破られ、
オズの魔法使いのように、
ただのハゲおやじが正体を露呈します。


我々は何を支えとしてビジネスの世界を生きていけばいいのか?

前回から述べているように、
それは”実績”でしかありません。

会社名でもなく、肩書きでもなく、
プロジェクトで何らかの貢献を残した実績が、
個人のブランドとしてあなたの人生に刻印されていくわけです。

その実績を積み重ねていくうちに、
何にも寄りかからずに自分の足で一歩一歩前進していける人間に
なるわけです。

歳を取るごとに味が落ちるワインになるのか、
ビンテージとしてグレードが上がるのかは、
この違いです。


リーダーは寄りかかるものを必要としません。

自分の持つ、素晴らしい理念と、実績に裏打ちされた自信という
大腿二頭筋によって、何もない荒地を歩んでいくことが、
リーダーの本質です。

何かに寄りかからずに、
自分価値をどれだけ信じられるか?

それもリーダーの資質の一つということです。
posted by ターレス今井 at 00:55| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(6) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

評価ではなく成果を目指すこと

〜なぜ、今は肩書きの時代ではなく、実績の時代なのか?

前回のブログで、
今の時代は、組織上の肩書きを追い求めるのではなく、
プロジェクトを通じて、実績を積むことに注力すべきだと書きました。

今回は、このことについて触れたいと思います。


肩書きを得るために必要なことは、
上司や人事部からの「評価」です。

ある程度大きくて、余裕のある会社の場合、
評価を得るためには、仕事で結果を残すことよりも、
「仕事がデキル」という”印象”が大切です。

成果主義が広がったとはいえ、
成果が反映されるのはボーナスの査定程度。

出世するかどうかの決め手は、
その人の(見た目の)能力が今でも9割がたを占めます。


こういう状況に置かれると、
多くの人は”失敗せず、そつなくこなすこと”
に重きを置いて行動してしまいがちです。

大企業に勤める頭のいい人は、もともと能力が高いので、
会社の中でずっとやっていくのならこれで問題ありません。

しかし、ひとつの会社、一つの部署での評価は万能ではありません。


部署が変わった場合や、転職の際にもうまくアピールできませんし、
独立するときにも、後ろ盾とはなりません。

会社からの評価は、何かのはずみで一瞬のうちに価値を失います。


今は、個人の時代なのです。
いろんな仕事のつながりも、最後は個人の実績がものを言います。


永久に価値があるのは、評価ではなく成果です。

プロジェクトの中で、自分が成し遂げた実績。
これが役に立つのです。


「あなたはどういう人ですか?」

と聞かれたとき、

「○○株式会社の課長でした」

では、答えになりませんが、

「○○のプロジェクトでリーダーとして××を達成しました」

という答えなら、相手を納得させることが出来ます。


転職時の経歴に書くことも出来ますし、
独立したときには、自分のプロフィールを実績で脇を固めることもできます。


あなたも、わざわざ遠回りして評価を求めるのではなく、
プロジェクトで成果を上げて実績を作って下さい。

なんとなくそつなくこなして来た。
ではあなたは一体何者なのか?

そんなビジネスマン人生なんて、楽しいと言えるでしょうか?

それよりは、何か一つでも実績を上げて、
オレはこういう人間だとアピールするものを持ってください。

失敗して評価を下げることを恐れずに、
成果になりそうなことにどんどんチャレンジするべきなのです。

posted by ターレス今井 at 23:18| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月23日

プロジェクト・リーダーという新しいピラミッドの頂点

個々の企業には、古くからの人的資源管理の体系があります。

社長を頂点とした、役職によるピラミッドがそこで定義されています。
一昔前であれば、このピラミッドの枠にすべての仕事を収めることができました。

ですので、現場の仕事のリーダーは係長(もしくは課長※企業により位置づけが違う)が担い、その統括を課長や部長が行うという非常にわかりやすい構図でした。

仕事に多様性がそれほど求められない時代はこれで問題ありませんでした。

しかし、徐々にこの構図が壊れていきました。

仕事を遂行するために必要な知識も多様化し、
多くの関係者が必要になります。

そうなると、既存の組織の枠を超えた人材の調達が必要になります。

そこで、会社の人的資源管理の体系とは別に、
プロジェクトチームが結成されます。


このプロジェクトチームこそ、
会社という組織に現れた、新しいピラミッドです。

今では、どこの企業でもほとんどがこの体制を取るようになりましたが、
一昔前までは、年に1つか2つの特別なことでした。


そこで、徐々に力を持つようになったのが、
プロジェクトリーダーです。

プロジェクトリーダーというのは、
ある程度若手が担うものですので、
肩書き上の権限はないことが多いでしょう。

しかし、プロジェクトの中身を把握し、
チームを掌握しているのは、
実質的にはプロジェクトリーダーです。

決裁権限が与えられていなくとも、
上司をマネジメントすることで予算もある程度
思い通りに使うことが出来ます。

そして、何より優れたリーダーには、
人がついてきます。

後輩や取引先、外注社員のサポートを得て、
そしてお客様からの信頼を勝ち取り、
プロジェクトを通じて自己実現と社会貢献ができる。

これがプロジェクトリーダーです。


今の会社組織を実質的に動かしているのは、
若手のリーダーです。

そして、今の世の中で、若手のビジネスマンが目指すべきなのは、
出世をして肩書きを得ることではなく、
「プロジェクトリーダーとして実績を作る」ということです。

なぜ、今は肩書きの時代ではなく、実績の時代なのか?

これは次回に続きます。

posted by ターレス今井 at 23:25| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月02日

リーダーの逆算

プロジェクトのリーダーともなると、
最低1ヶ月先を見ておく必要があります。

最低でもです。

実際に作業をするための段取りの期間は、
関係者が多ければ多いほど長く必要です。


直前になって、「人が足りない!」、「モノが届かない!」、
「許可を取り忘れた!」なんてことになると最悪ですからね。

GWは少し休めそうなので、
人生の段取りをもう一度考えて直しているところです。
posted by ターレス今井 at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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